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第3章 令和元年東日本台風 発災からその後

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現場での対応 → 復旧 → 検証経過により見えてきた課題

課題1 避難所について


~多摩区事例の事例から~
避難者:約8000人  避難所開設:17箇所
台風15号では避難所利用者30人 →台風19号では8000人と大幅増


ハード面 避難所が足りない

① 避難住民を移送・避難所増設 
10月12日当日 
午前 多摩区役所は人があふれて混乱すると見越した2箇所の避難所から 
多摩市民館への移送を決定。計画運休中の市バスを依頼→交通局が了承 
13時 宿河原小学校から約50人をバス3台で輸送 
14時 菅小学校から約130人をバス4台でピストン輸送 
17時 避難所を2箇所増設 
→ ピーク時 宿河原小学校770人 菅小 220人が3・4階の教室で避難できた。 

② 現場の事例 
中野島小学校 
当初予測を超えた避難者が詰め掛け、現場の判断で中野島中学校に増設を 
依頼→避難所開設一因として近隣の下布田小学校が浸水地域のため避難所開設されておらず、中野島小学校に集中した。 
・ペット同伴は可であったが、現場の判断で場所を分けた。 
(他区ではペット同伴不可との誤った情報が流れるなどの混乱事例あり) 
 
避難所内部での場所移動 
当初特別活動室などへ誘導 → 結果的に体育館・校舎上層階へ移動要請 
多摩川の水位が上がり、浸水地域内にある避難所では避難住民の上階への移動を余儀なくされた。しかし避難者が多数となり、登戸小学校など浸水地域内の避難所でも上階に入りきらない人が体育館などで、不安を抱えながら過ごすことになった。 

③ 住民の声 
・避難勧告が出ても、避難所がどこもいっぱいとの情報。諦めて自宅で死を覚悟した。(登戸・80代夫妻 後日談) 
・利用者さんが中野島の90歳独居男性。中野島小学校に避難しても浸水すれば再避難の可能性もある。早めに移動させてあげたいがどうしたら?(介護事業者・当日の相談) →吉沢:枡形中学へ依頼し、無事避難。 

 

ソフト面 避難所運営が未熟

① 職員の訓練不足
多数の避難者があった避難所では、運営に当たった職員が訓練不足のためにパニックとなった事例があった。地元町内会をはじめ、避難所運営会議の協力があって運営できた事例あり。

② 備蓄物資の扱い
風水害のマニュアルでは、備蓄物資は支給しないルールとなっている。しかし現場では、避難所では支給されるものと思い何も用意してこない人が多数。避難所によって対応違い、避難者が混乱した。臨機応変に対応した避難所と、そうでなかった避難所とで大きな差がでた。


課題2 浸水被害について

住宅被害: 川崎市全市:1891戸
多摩区:338戸

多摩川

被害概況

政策提言 川崎強靭化計画2



① 多摩川の治水対策
過去最高雨量を観測。川崎市側は多摩川の溢水こそ免れたが抜本的改革としての早道は、河川断面を大きくし、流量を確保する堆積土砂の掘削=浚渫である。← 発災以前から多摩川を歩き指摘している。

② 上河原堰堤の対応
現場の判断により12日午前9時から引き上げ式ゲートの引き上げを開始。午後4時頃引き上げ式ゲート3門全て完了。これにより、布田橋付近の多摩川溢水を防ぐ大きな要因となった。上河原堰のゲート引き上げは、史上初。とても良い判断だった。←発災翌日、現場を歩き、道路公園センターにてこの話を伺う。



政策提言 川崎強靭化計画2



三沢川周辺

大丸用水の内水氾濫により浸水←多摩区の内水氾濫リスクを指摘し、対策を講じる事も既に指摘してきた。非常に残念である。
三沢川の水門開閉の是非、大丸用水の水門管理については現段階で調査中。

政策提言 川崎強靭化計画2



課題3 市の対応について

組織

対策本部が組織されず、司令塔不在。その結果、機動的に動けず、後手後手となった。多忙な部署への応援体制が確立せず、現場は激務を極めた。危機管理室は電話対応に追われハブ機能を失い情報も混乱。結果、次々起こる自称に対するプライオリティがつけられない事態に陥った。この台風への危機感の薄さによる初動の遅れが全て。その後の危機意識の濃淡も大問題。

情報発信

① 市の情報が取りにくい
かわさき防災アプリが使いにくく、ポータルサイトとの連動が悪い。
結果的確な情報が伝わらない。アプリではNHKの情報が一番わかりやすいと思う。
防災無線は暴風雨のなか、機密性の高い室内には音が届かない。

② 避難指示発令が暴風雨圏内の時間
多摩区の避難指示(緊急)は12日17時50分。洪水浸水想定区域内に暴風雨真っ只中での発令。車での避難は原則禁止。夜間でもあり避難するほうが危険か。
避難するか止まるかの判断が困難な人が続出。

③ 住民の声
土砂災害警戒区域で裏が崖。90歳の母を連れて避難すべきか逡巡
(飯室50代女性・当日の相談)→吉沢:夜間暴風雨圏内での高齢者を連れての移動は
断念すべき。崖から遠い2階に避難するよう指示。

罹災証明・多摩区事例

多摩区では発災2日後の14日から罹災証明の受付事務を開始
16日から被災地域の2箇所、稲田堤地区:公園と堰地区:町内会館の現地で、地元町内会の協力罹災証明と衛生指導を行なった
→市内では多摩区が初。これは素晴らしい。←吉沢:現地で他の有志議員とともに証明 所発行の手伝い。

災害ごみ・多摩区事例

通常では、事業系ごみは有料。地域の商店や事務所の床上浸水のごみも回収しないという問題発生。←吉沢:被災現場に事業系も一般もないのではなか、と区長・環境事業所長と現場で交渉。



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多摩区災害マップ

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PDFファイル 434KB

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