第1 章 川崎市における新型コロナウイルス感染症の状況と対策
新型コロナウイルス感染症対策(検査体制と医療提供体制)について
1 現状
(1)陽性者の状況(令和3 年3 月23 日現在)
令和3 年3 月23 日発表までの累計陽性者数は8,881 人でうち死亡者数は141 人となっている。
1 日あたりの最多陽性者数は令和3 年1 月9 日の226 人となっている。
【発表日別・居住地別年代別の陽性者数】
(2)新型コロナウイルス感染症モニタリング状況(令和3 年3 月23 日現在)
令和2 年6 月9 日[ 集計期間:6 月1 日(月)〜6 月7 日(日)] 以降、週1 回、神奈川警戒アラートの指標等に従った項目を選び、モニタリング状況と評価を公表している。
新型コロナウイルス感染症のモニタリング状況
1 モニタリング状況(参考数値)
2 評価
令和3 年3 月15 日(月)〜3 月21 日(日)(令和3 年第11 週)の川崎市内におけるモニタリング状況は、以下のとおりです。
(1)新規陽性者数は、1 月4 日〜1 月10 日の1123 人をピークとし、前々週120 人まで減少しましたが、前週は125 人、今週は142 人と増加傾向がみられています。
(2)直近1 週間の人口10 万人あたりの累積新規陽性者数も、同じく1 月4 日〜1 月10日の73.40 人をピークに、前々週7.84 人まで減少しましたが、前週は8.17 人、今週は9.28人と増加傾向がみられています。目安基準(神奈川警戒アラート)の2.5 人木満は上回ったままです。
(3)週当たりの陽性者増加比は、同じく1 月4 日〜1 月10 日の2.08 をピークに、前々週0.82 まで減少しましたが、前週は1.04、今週は1.14 と増加傾向がみられ、前週から目安基準1 以下を上回るようになりました。
(4)直近1 週間の感染経路不明者の割合は、このところ40%前後で停滞していましたが、前々週42%から前週は53%、今週は55%と上昇し、前週から目安基準50%未満を上回るようになりました。
(5)直近1 週間の検査陽性率は、前々週3.32%から前週3.66%、今週は4.17%と上昇しました。
(6)入院中の患者数は、直近1 週間の新規陽性者数のピークに2 週遅れた1 月18 日〜1月24 日の週182 人をピークとして減少が始まり、前々週の126 人から前週は117 人、そして今週は93 人と減少が続いています。
(7)入院患者のうち重症者数は、1 月4 日〜1 月10 日の31 人をピークとして、その後減少し、このところ10 人前後が続き、前々週9 人、前週は11 人でしたが、今週は6 人と減少しました。
(8)全療養者数(入院中、宿泊療養及び自宅療養者合計)は1 月18 日〜1 月24 日の2901 人をピークとして減少し、前々週は202 人、前週は190 人まで減少しましたが、今週は206 人とやや増加しました。
関東1 都3 県についても医療体制については、一定の落ち着きを見せてきたため、2 週間延長された緊急事態宣言は3 月21 日をもって解除されましたが、陽性者数としては各地で微増傾向を見せています。
本市におきましても、これまでの陽性者の発生状況は、お正月明け頃をピークとして減少が続きましたが、前遇と今週は指標(1)〜(5)すべてが残念ながら増加傾向となっています。一方、入院あるいは宿泊療養自宅療養者に対する医療は、この3 週間は落ち着きを取り戻した感じです。本市においては、このくらいの陽性者数で若干の増減で停滞するのであれば、入院患者の受け入れと治療、その他の通常医療についても落ち着いた状態で行うことができますが、このまま陽性者数の増加が続く(リバウンド)となると、入院患者数の増加も見られてくるので、なんとか陽性者の急増は避けたいところです。
これまでに多くの市民の方々のご理解とご協力の賜物で、市内の状況は少し安心して頂けるところまできましたが、安心が油断となり、気が緩んでしまうと12 月下旬の状態に戻ってしまうことが心配されるところです。卒業式から入学式、勤務先の異動、桜の開花宣言もありこれから陽気の良い日も増えてきますが、人の増加と感染症の増加はつきものです。どちらかへお出かけになるともあろうかと思いますが、やはり混雑する場所や時間帯はできるだけ避けて、家族単位などの少人数でゆっくりと、過ごされますよう、よろしくお願いいたします。また、三密を避ける、適切な距離が保てないなどの時はマスクをつける、手洗い・手指の消毒をこまめにするなどは、飲食の場あるいは日常生活において、感染の拡大を予防するための基本的なかつ重要な注意点です。引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。
(3)新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言 (令和2 年8 月7 日)で示された指標及び目安からみた川崎市の状況(参考)
手洗い・手指の消毒をこまめにするなどは、飲食の場あるいは日常生活において、感染の拡大を予防するための基本的なかつ重要な注意点です。引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。
2 検査体制等
(1)相談体制
ア新型コロナウイルス感染症コールセンター
新型コロナウイルス感染症に関する一般的な質間・相談を受け付け、市民の不安解消等を図るために令和2 年2 月20 日に設置し、順次受付時間を拡大し、5 月1 日以降は24 時間対応としている。
11 月1 日で「帰国者接触者相談センター」を終了し、「新型コロナウイルス感染症コールセンター」に相談窓口の体制を統一した。相談件数は、令和2 年2 月から4 月にかけて増加し、その後はほぼ横ばいで推移していたが、令和3 年2 月以降は落ち着いている。
<受付時間>
2 月20 日から 3 月6 日 8 時30 分〜17 時15 分(平日)
3 月7 日から 4 月15 日 8 時30 分〜17 時15 分(土日休日含む)
4 月16 日から 4 月30 日 8 時30 分〜21 時(土日休日含む)
5 月1 日から 24 時間対応
<相談件数>
イ 帰国者・接触者相談センター
発熱、呼吸器症状などがある方で、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合に、「帰国者・接触者外来設置医療機関」を適切に受診できるよう、令和2 年2 月10 日に各区に専用の電話回線を設置した。5 月1 日以降は土日休日を含む対応とし、時間を21 時まで延長して対応している。時間外においては、
(ア)のコールセンターに転送し、コールセンターで対応しきれない案件は職員へ取次ぎ対応している。11 月1 日で「帰国者接触者相談センター」を終了し、「新型コロナウイルス感染症コールセンター」に相談窓口の体制を統一した。
相談件数は、令和2 年2 月から4 月にかけて増加し、5 月以降は月3 千〜4 千件程度で推移していたが、10 月は2 千件程度となった。
<受付時間>
* 2 月10 日から4 月30 日 8 時30 分〜17 時15 分(平日)
* 5 月1 日から8 時30 分〜21 時(土日休日含む)
(2)検体採取
ア PCR 集合検査場
検査体制の拡充を目的として、市内の病院や診療所の医師が検体採取を行うPCR 集合検査場を市内3 か所に設置し、川崎市医師会に運営を委託して実施している。
現在、開設時間は13 時から15 時で、2 か所が週3 日、1 か所が週4 日運営しており、完全予約制で実施している。
ィ 帰国者・接触者外来及び帰国者接触者外来と同様の機能を有する医療機関
帰国者・接触者外来は、帰国者接触者相談センターから紹介のあった新型コロナウイルス感染症疑い患者を適切に診察するために設置する医療機関であって、PCR 検査等のための検体採取等を行う。(令和3 年3 月23 日現在:17 病院)また、市と行政検査の委託契約を締結した各医療機関が民間検査機関に委託又は自施設で検査を実施している。(令和3 年3 月23 日時点で225 医療機関(14 病院、211 診療所※))
これまで1 日当たり最大で1,322 検体(令和3 年1 月4 日)の採取が実施されている。
※集合契約を含む。
<検体採取数(陰性確認含む)>
ウ その他
学校や保育所、高齢者施設などで陽性者が確認された場合の濃厚接触者等の検体採取は、学校医や施設嘱託医等とも連携を図りながら、主に行政医師が行っている。これまで1日当たり最大で257 検体(令和3 年2 月2 日)の採取を実施している。
<検体採取数(陰性確認含む)>(単位:件)
(3)検体検査
ア 健康安全研究所による検査(PCR 検査)
リアルタイムPCR 検査機器5 台を新型コロナウイルス感染症検査用とし、1 日当たり約120 検体の検査を継続して実施できる体制を確保している。必要に応じ検査数を増やすことにより、これまで1 日当たり最大で315 検体(令和3 年1 月19 日)の検査を実施している。
<検査実績(陰性確認含む)>
イ 民間検査機関による検査
これまで1 日当たり最大で1,329 検体(令和3 年1 月4 日)の検査が実施されている。
(ア)PCR 検査
<検査実績(陰性確認含む)>
(イ)抗原検査
令和2 年5 月13 日に保険適用となって以降、増加している。
<検査実績(陰性確認含む)>
(4)搬送支援
感染の疑いのある方及び患者のうち、医療機関までの移動手段が確保できない方々を対象として、専用車両3 台体制で民間事業者への委託により搬送を毎日実施している。
<搬送実績>
3 医療提供体制
(1)本市の神奈川モデル認定医療機関における病床機能別の確保状況
(2)市内病院における入院状況の推移※ 1
(3)今後の病床確保稼働の方向性
県では、第3 波までの経験を踏まえて、今後はより機動的に病床確保が出来るよう、別添のとおり感染状況のフェーズに応じた県内即応病床の目標数を再設定した上、個々の病院の即応病床数について協定を締結することを予定している。これに基づき、本市においては引き続き県と連携しながら、市内における着実な病床確保を行っていく。
(4)宿泊療養施設等の状況
無症状、軽症の方は、宿泊施設ないし自宅で療養しており、令和3 年3 月23 日現在の川崎市在住の宿泊療養者は39 人、自宅療養者は96 人で、体調に変化がみられた際には入院調整等を行っている。
神奈川県内の宿泊療養施設の状況は以下のとおり。
(5)自宅療養者等訪問支援事業
ア事業内容
医師や看護師が、新型コロナウイルス感染症の患者や濃厚接触者となった要介護高齢者等の自宅を訪間し、健康観察や療養相談とともに、可能な範囲での療養生活上の支援を行う。(原則として1 日1 回)
ィ対象者
* 一人暮らしの要介護高齢者等であって、自力で健康観察や保健所への連絡を行うことが難しい方
* 家族と同居する要介護高齢者等であって、サービスの中断等により、必要な健康管理や介護を受けることが出来なくなった方
ウ開始時期
令和3 年5 月から(予定)
出典・川崎市議会健康福祉委員会資料